片想いがバレたら一緒にいられないっ!
ど、どうしよう!

セイくんと目が合っちゃった....!

ひょっとして、見てたのバレた.....?!

あたしが本の中で、必死にごまかす術を考えていると


「お前、普段菓子とか作んの?」

「え?!」

特に何も気にする様子もなく、話しだすセイくん。

「あ、うん....!
実は、お姉ちゃんがカフェ経営してて。
いつか自分で作ったお菓子をそこに置いてもらえたらいいなーって...。」


ほっ.....。

よかった....。

バレてないみたい。


「ふーん。じゃあ今度何か食わせてよ。」

「え?!え?!」


ちょ、ちょっと待って!!

あたしがセイくんに?!


「あ、綾瀬くん、甘い物大丈夫なの....?」

「は?オレが甘いもん食ったら悪いかよ!」

セイくんは少し照れたようにそう言い放つと、また雑誌に目を向けた。

なんだかその姿が可愛くて、あたしは心の中でクスッと笑った。


「お菓子、腕をふるって作るから楽しみにしててね?」

あたしの言葉に、セイくんは感情を隠すようにコクリと小さく頷いた。
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