片想いがバレたら一緒にいられないっ!
「あ、綾瀬くん...。
ひとつ聞きたいことがあるんだけど...。」

「なに?」

あたしの言葉に、セイくんはチラッと上目遣いをした。


「あたしに対する接し方が、昨日までと違うような気がするんだけど....。気のせい...かな?」

あたしは密かに気になっていたことを、セイくんにおそるおそる聞いた。

すると、少しの間をおいてセイくんが口を開いた。


「.....お前がオレに気があると思ってたから。」

「え?」

「.......オレの見た目だけで近づいてくる女って、まともな奴いねーから。」


ドクン!!


その言葉に、胸がざわついた。


「だからお前に "自意識過剰" って言われた時、嬉しかったっつーとおかしいけど正直安心したっつーか.....。」

「綾瀬くん......。」

セイくんは自分の飲んでるアメリカーノを見つめながら、呟くようにそう言った。

「.....キツく当たってごめんな。」

セイくんは申し訳なさそうにそう言うと、ふんわりと笑った。

セイくんの笑った顔は何度か見てるけど、

実際はこんなにも優しく笑う人なんだ....。って初めて気づいた。

あたしはそんなセイくんに何も言えず、ただ首を横に振り続けた。
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