片想いがバレたら一緒にいられないっ!
ーその帰り道


ガタンゴトン........

あたしはひとり電車に揺られていた。

セイくんと2人で過ごした夢のような時間。

あの笑顔も言葉も、あたしだけに向けられてたんだって思うだけで嬉しくてたまらないのに、どうしてこんなに切なくて苦しいんだろう。

一緒に過ごす時間が、増えれば増えるほど
色んなセイくんが見えて...

そんなセイくんを、知れば知るほど
好きな気持ちがどんどん溢れてくる。

でもそれは、同時にセイくんを裏切ってるってことなんだよね...。

もし、あたしが一目惚れしたなんて知ったら.....。

失望?幻滅?

あー...もうヤダ....。

いっそ、大キライになれたらいいのに....。

あたしは泣きたい気持ちを抑えるように、制服のスカートをギュッと握った。
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