再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
私に対する航くんの想いが想像以上に大きいことを知るたびに、私はその大きさにまだまだ近づけていないことに気づかされる。
気持ちの大きさは比べるものではないかもしれないけれど、私の航くんへの想いはこれからもっと大きくなると思っているし、それを彼に知っていてほしい。
私の初恋の相手はたしかに翼くんだけど、今は航くんのことが好きなんだよって、言葉でちゃんと伝えておきたかった。
今日1日、お昼過ぎにはふたりでお互いに寄りかかってうとうとと昼寝をしてしまいながらも、海外から帰ってきたばかりで疲れているはずの航くんはずっと私の相手をしてくれた。
そんな時間は何気ないけれど幸せで、彼と一緒の時間を過ごすほどよく知っていると思っていた彼の知らない部分が見えてきて、どんどん惹かれていく。
甘えるように彼にすり寄ると、私を包み込む彼の腕に力がこもった。
「紗菜。ずっと俺のそばにいろよ」
「……うん」
顔を上げ、触れそうなくらいの距離で見つめ合う。
どちらともなく唇を触れ合わせ、航くんの腕が支えてくれながら私の身体はゆっくりソファーの上に組み敷かれる。
はじめて抱き合うのはロマンティック状況だといいなという夢をこっそり抱いていたけれど、彼と一緒にいれるならどこでもいい。
私に優しく降りそそぐ唇、そして身体のラインに沿って動く手に、私は身を任せた。