再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
 
航くんと付き合い始めてから、小さなケンカや言い合いをしながらも、休日にはデートやショッピング、おうちデートなど恋人らしいことをして仲良く過ごしていると思う。

航くんは意地悪なことをたくさん言っても、なんだかんだで私の妄想たっぷりの話にもちゃんと付き合ってくれるし、実際にロマンチックな場所へ連れていってくれることもある。

いい雰囲気になれば、普段は言わないような甘い言葉をくれるし、キスもするし、服の上からとはいえ身体に触れあったり抱きしめあったりもする。

……でも、それ以上の関係に進まないのが現実だった。

初めて航くんの部屋に行った日もそのままお泊まりするものだと思っていたら、長いキスが終わると「送る」と彼はそれ以上進むのをやめてしまった。

それからも航くんの部屋に行っても、同じような状況になるのだ。

もちろん、お泊まりもしたことはない。

最初のうちはペースがあるし自然な流れに身を任せようと思っていたけれど、そういう雰囲気になっても先に進もうとしない航くんに対して次第に不安を感じるようになっていき、瑠花に相談することにした。

航くんと一緒にいられるだけでもちろん幸せだけど、私は航くんにもっと触れたいし、もっと触れてほしい。

お互いの熱をもっと感じ合いたい。

好きになればなるほどそういう気持ちが強くなるのは自然のことだと思うけれど、航くんはそうじゃないのかな……。
 
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