再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
 
不安で包み込まれる中で、私がたどり着いた結論があった。


「……そういう気持ちになるような魅力が、私にはないのかも」

「紗菜美?」


小さい頃から知っていることもあるし、「好き」という気持ちはあっても、私に対して女の魅力を感じていないのではないかと思う。

航くんが女を惹きつける魅力を持っていることは昔からわかっていることで、先日、総務の女の子が彼に告白したという話も瑠花伝いで聞いた。

だから、彼が他の子に目移りしてしまわないように、そして彼の隣にいてせめて妹に見えないように、今まで手を抜いてあまりやってこなかったお手入れをちゃんとするようにもなった。

少しずつではあるけれど、私なりに女子力を高める努力はしている。

でも、普通の女子がしているようなことをするだけでは努力が足りないのか、自分が変わった気もしないし彼の態度も変わらない。

外見なんて気にしない性格だったはずなのに、航くんが絡むとどうしても気になってしまう。

「紗菜はそのままでいい」と言ってくれる航くんには相談できないし、できたとしてもきっと突っぱねられる。

何でも言い合える仲だとは思っていても、こういうところでは怖気づいてしまう。

やっぱり自分で解決するしかないのだ。


「どうやったら大人の魅力が出るのかな……。ねぇ瑠花、この前聞いたお手入れの他にどんな美容してる? 瑠花のお化粧、大人っぽくてすごく素敵だと思ってたの。何使ってるの?」

「そんなこと聞いてどうするの。私と紗菜美はそもそもタイプが違うんだから参考にならないでしょ?」

「だって……」


他人の真似をしても意味がないことくらい頭ではわかっているものの、解決法を自分で見つけることができなければ、人にすがるしか道はない。
 
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