再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
少しだけ気持ちが浮上し、再び定食に箸をつけ始める。
「瑠花のほうこそ、ケンカしてた旦那さまと仲直りしたの?」
「あっ、お騒がせしました。無事に昨日、仲直りエッチをしました。すれ違いを乗り越えたエッチはとっても気持ちよかったです。まる」
「やだ、そこまで聞いてないから! でも、仲直りできてよかったね」
「ありがとう」
瑠花は「旦那とケンカした!」と言っていたときはつらそうな表情をしていたけれど、今はすっかり幸せそうな笑顔を見せている。
「何か壁を乗り越えるたびに、ふたりの愛が強くなる……その通りだよね、きっと」
「うん、そう思うよ。こう見えて、私と旦那もたくさんぶつかりあってるし、それは彼とずっと一緒にいたいっていう気持ちが強いからで、そのたびに彼への想いも強くなる。もちろん、ときには我慢しなきゃいけないこともあるけど、紗菜美もきっと大丈夫だよ」
「うん、ありがとう」
航くんと付き合うようになってから、彼にふさわしい彼女でいたいという気持ちが常にある。
もちろんそういう気持ちは大事だと思うけれど、不要な小さな遠慮が積もり積もってふたりの間に壁を作ってしまったら元も子もない。
私は航くんとこれから先もずっと一緒に過ごしていきたいし、彼のことをもっと信じて、苦しい気持ちで押し潰されてしまう前に思っていることはちゃんと話そう。
瑠花の暴露話が飛び出したことで、改めて大切なことに気づいた。
心がずいぶんと軽くなった私は再び楽しい会話に戻し、昼休み時間ギリギリまでランチを楽しんだ。