私を好きに・・・
封印した気持ち
「ここにいられるのも、あと半年なんだねぇ」
西日がまぶしい、学食の片隅。月曜の空き時間に、学食で遅い昼食を食べていると、美紗が言った。
「まあ、そうだね」
私は、冷めた口調で返す。大学を卒業するということに、現実味を感じていなかったから。美紗の指摘通り、いつの間にか、大学生活もあと半年だった。いつの間にか、彼
氏なんて、いなくていいと思っていた。大学の友達と、くだらない話で盛り上がって、
一緒に旅行をして。バイトもそこそこ頑張って、好きな洋服を買えれば、それで充分だ
った。
「最近、どうなの?」
私はふと思い出したことがあって、美紗に聞いた。
「どうって?」
「この前、遊びに行ったらさ、部屋が乙女チックになってたじゃない。好きな人?彼氏?」
「そ、そんなことないよ」
美紗は、慌てたように、目の前のうどんをすすり始める。大学でいつも遊ぶメンバーの中で、彼氏がいないのは、私と美紗だけだった。美紗にも彼氏ができたか。私の目の前で、皿に載った食べ残しの葱が干からびていて、何となく取り残された気持ちになる。
2年前、私は男の人と付き合うのをやめた。
西日がまぶしい、学食の片隅。月曜の空き時間に、学食で遅い昼食を食べていると、美紗が言った。
「まあ、そうだね」
私は、冷めた口調で返す。大学を卒業するということに、現実味を感じていなかったから。美紗の指摘通り、いつの間にか、大学生活もあと半年だった。いつの間にか、彼
氏なんて、いなくていいと思っていた。大学の友達と、くだらない話で盛り上がって、
一緒に旅行をして。バイトもそこそこ頑張って、好きな洋服を買えれば、それで充分だ
った。
「最近、どうなの?」
私はふと思い出したことがあって、美紗に聞いた。
「どうって?」
「この前、遊びに行ったらさ、部屋が乙女チックになってたじゃない。好きな人?彼氏?」
「そ、そんなことないよ」
美紗は、慌てたように、目の前のうどんをすすり始める。大学でいつも遊ぶメンバーの中で、彼氏がいないのは、私と美紗だけだった。美紗にも彼氏ができたか。私の目の前で、皿に載った食べ残しの葱が干からびていて、何となく取り残された気持ちになる。
2年前、私は男の人と付き合うのをやめた。