【完】せんぱい、いただきます。
先輩の部屋に着き、鍵を開け、
靴を脱いでこたつのある部屋のドアを開けると
暖かい空気が体を包んだ。
先輩は寒かった、と独り言を言い、
コートを脱いだ。
そして、ん、と私にハンガーを渡す。
「コート、かけるでしょ?」
私がコートを脱ぎ、
マフラーを一緒にかけると、
それを受け取って、壁にかけた。
そして、コタツのスイッチを入れ、
二人で足を突っ込み、テレビをつけた。
テレビは、いつも平日のゴールデンタイムに
放送されているバラエティ番組のスペシャルが
放送され、最近よく見る芸人たちが
トークをしていた。
「先輩、いつもお世話になってます。」
私は、持ってきたリュックの中に
入っていたお土産を渡す。
「何これ?どうしたの?」
先輩は受け取って、言った。
白い小さな紙袋。
その中に、お店の包装紙に包まれたものが
入っている。
「これ、開けていい?」
「どうぞ」
先輩は包装紙を丁寧に開け、
中身を取り出した。