【完】せんぱい、いただきます。
しばらくしてお湯が沸く音がして、
それからしばらく待つと、
パスタが茹で上がったことを知らせる
キッチンタイマーが鳴る。
「いつも取り分ける皿、持ってきて」
キッチンから声が聞こえて、
私は食器棚を開け、
上から2段目に重ねてある平皿を
2枚持っていく。
キッチンに立っている先輩に皿を渡すと、
代わりに白い布巾を渡された。
私は暖かい部屋へ戻り、
テーブルの上を片付け始める。
布巾で拭いて、グラスを取り出し並べる。
フォークも並べる。
すぐにドアに先輩のシルエットが浮かび、
ドアを開ける。
両手に完成した料理を持っている。
いつものようにコトン、と皿を置き、
キッチンの電気を消して座椅子に腰を下ろす。
私もいつもの場所に座る。
「「いただきます」」
私たちは一緒に手を合わせる。
しかしすぐに先輩は席を立って
キッチンへ向かい、戻ってきた。