【完】せんぱい、いただきます。

「・・・?」


「あのさ、そういうふうに言われたら「もしかして俺のこと好きなのかな」とか思うわけ」




街灯で照らされた横顔が赤いのは気のせいではないはず。




「私、先輩のこと、好きです。」



無意識だった。言葉に出して気づく。




そして私と先輩の空気が緊張したものへと変わる。




「それは、どういう意味での?」




いじわる。



女の子が「好き」っていうのは、そういう意味でしかないでしょ。




私が言いかねていると、先輩は一歩近づいた。



「ねえ」


「・・・。」



「俺、実紅ちゃんのこと好きだよ。




俺の「好き」は付き合いたいとか、

全部ほしいとかそういう「好き」だから。




実紅ちゃんの「好き」は俺と同じ?


それとも違う?」





先輩の言葉。




私の頭は理解が追い付かない。

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