【完】せんぱい、いただきます。
「あの、えっと、ですね」
しどろもどろの私に
「実紅ちゃん、反則。」
そんなふうにささやいたかと思うと、
チュッ
先輩は私の髪を分け、おでこにキスをする。
「初めては、ちゃんとしたタイミングでしたいから。今はこれだけさして。」
先輩の唇が触れたところを両手でおさえる。
「付き合ってる」ってこういうこと?
なんだか、実感が沸いたような?
私がぼーっとしている間に先輩は手際よく料理を進める。
「いつまで、ぼーっとしてるの?
皿とフォークとコップと用意してよ。」
「あ、はい」
私は急いで食べる準備を始めた。