【完】せんぱい、いただきます。
目の前のパスタにはゴロゴロと
ぶつ切りにされたナスがのっている。
これまでの流れのように、
先輩は私に取り分ける。
それでも、3口分くらいで、
自分の皿には真ん中の皿に残っていた
パスタの半分くらいの量をよそう。
一緒に手を合わせ、私は覚悟して口に運ぶ。
「私、ナスの何が苦手なんだったけ?」
苦手だと思っていた
ぐちゃっとした食感にも、
よくわからない味にも
普段のような嫌悪感は抱かなかった。