【完】せんぱい、いただきます。
「キレイ・・・」
それ以外の言葉なんて見つからない。
ちょうど、アパートの階段から見える
大きなピンクを金で縁どった花火。
「ここからなら綺麗に見えるでしょ。」
手すりに手をかけ、
次から次にあがる花火を見つめる。
花が開いて、
少し遅れて「ドーン」という音や
「パラパラ」という音が聞こえる。
周りには、誰もいない。
ピタッ
頬に水滴が冷たい。
となりを見ると、先輩が笑って、
紙コップを2つ持っていた。