【完】せんぱい、いただきます。
「実紅ちゃん、どうしたの?」
同じグループの女子が声をかけてくれた。
「ううん、何でもない。」
私、そんなにぼーっとしてたのかな。
毎時間書く、感想カードが配られる。
これの記入が済めば、提出した順に授業が終了となる。
私も自分の分を受け取り、
シャープペンを走らせる。
いつもどおり、3行くらい書いて、
先生に提出する。
同じグループの彼はすでにいなくなっていて、
女子の一人は書き終わり、
終わっていない一人を待っていた。
私は、彼女らに「またね」と
小さく手を振って、リュックを背負い教室を
出た。