【完】せんぱい、いただきます。
そして、気が付くと、
少し大きな児童公園の前に来ていた。
私は、木陰になっているベンチに
腰を下ろす。
「ちょ・・・実紅ちゃん、どうしたの?!」
私がベンチに腰を下ろし、
声が聞こえた公園の入口へと視線を向ける。
・・・どうして?
そこには、なぜか息を切らした先輩が
立っていた。
先輩は、私の方へズカズカと大股で
近づいてくる。
「何、泣いてんの?」
そう言われて初めて私は自分の頬が
濡れていることに気づいた。
「つか、実紅ちゃん、意外と足速いし。」
そう言って、私の隣に腰掛ける。
「何?忘れ物か何か?」
私はふるふると首を横に振る。
「じゃあ、俺、何かした?」
そこで、私は小さくこくん、と頷く。
「え?!まじで?!何した、俺?!」
先輩は本当に驚いたように私を見た。