【完】せんぱい、いただきます。


「もうすぐ、一樹くん誕生日じゃん。

何か、あげるの?」



明梨さんは、私を見る。



「あ、いえ。あの」



私は、うまく答えられない。



「一樹くんの家に入れる女の子、

 あんまりいないよ。」





でも、




明梨さんは、入ってたじゃないですか。




「絶対、実紅ちゃんのこと気に入ってるよ。」




明梨さんのくせなのか、計算なのか、

小首をかしげニコッと笑う。




「一樹くん、ウイスキー好きだし。


ウイスキーはぁ、年齢的に買えないっか。


そしたら、ウイスキーに合うおつまみとか?」





うーん、と明梨さんは考えている。





一樹さんが、ウイスキー好きなの、

私も知ってる。


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