【完】せんぱい、いただきます。

いつも先輩と食べる料理はパスタの中でも

スパゲティばかりだったが、

今日はペンネのグラタン。




白い一般的なグラタン皿に、

チーズが少し焦げている。



私はゆっくりと白い食器棚から

大きめのスプーンを取り出し、並べる。




先輩が座椅子に座ったのを確認すると


私はいつものように手を合わせる。





「いただきます」





「どうぞ」




先輩はそう答えて、自分も手を合わせる。





熱いから、ふーふー、と冷まして口に運ぶ。




「おいしい!」




思わずそんな言葉がこぼれる。




あたりまえでしょ、


という表情でさっそく二口目をほおばる先輩。





テレビからは相変わらず恋愛バラエティが流れている。

< 98 / 163 >

この作品をシェア

pagetop