ota-stay night-
本能からか足は勝手に動き出していた。

(死ぬわけには・・・いかない)

どこかに隠れよう。セコムを頼りに校舎の中に逃げ込む。

田口「くそ・・・鳴らないか。」

セコムは鳴らなかった。希望は絶望へと変わる。

しかし逃げ延びる希望が無くなった訳では無い。この校舎の作りは微妙に複雑で初めて来た人は迷う構造になっている。


(なんでこんなことに・・・)

考えてる暇は無い。この曲がり角を曲がって

青い男「おっと、残念だなぁ・・・行き止まりだ」

!!!!

先回りされていた。いや俺より早かっただけなのだろう。

田口「陸上部なのに自信なくしちゃう・・・」

体はガタガタと震えている。尿意は無かったがウンコ漏らしそうだった。

青い男「お前も運がねぇなー。でもな、俺だってやりたくてやる訳じゃないから気が乗らないが・・・死ね」

男が腕を引く・・・

どうする?

→右に避ける

左に避ける

体をひねりとっさに転がった。打ち付けた肩が痛むがそんなこと気にしている暇は無い。体を起こし、走り出そうとするが・・・

青い男「まぁ、死ねよ」

左胸が熱い。見れば血より紅黒い槍が深々と刺さっていた。

青い男「ま、恨まれてもかまわねぇよ。なるべく痛くないようにしてやっただけ感謝してくれよ」


槍が抜かれ体が倒れる。息が出来ない。血が水溜りを作る。痛みは感じない。ただ熱い・・・

殺しのプロは相手に痛みを感じさせないまま息の根を止めると言う。

それならばまさにあいつはソレそのものだろう。

田口「俺・・・童貞のままだったな・・・」

そうして視界は黒くなっていった―




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