溺甘副社長にひとり占めされてます。
そして何より、胸が震えるほどの白濱副社長への愛しさで、私の心はいっぱいだった。
白濱副社長は、会場の中央に立っていた。大勢の人に囲まれている。
そしてやっぱり、彼のすぐそばに宍戸さんの姿があった。
宍戸さんのお父さんが白濱副社長に必死に何かを話しかけている。
白濱副社長は怖いくらい完璧すぎる微笑みを浮かべて、それに耳を傾けている。
すっと宍戸さんが彼の近くへと身を寄せ、彼の腕に自分の腕を絡めた。
「白濱……」
途中で言葉を切り、私は大きく息を吸い込んだ。
「和臣さん!」
精一杯呼びかければ、すぐに、彼が私の方へと顔を向ける。
ほんの少し目を見開いた後、嬉しそうに笑って、私に向かって歩き出す。
「美麗ちゃん!」
私は彼に向かって大きく手を伸ばした。
そのまま、目の前まで来てくれた彼の首元に両手を乗せれば、彼も私の腰に手を回し引き寄せてくる。
「おかえり」
「ただいまです」
見つめ合ったまま、互いに笑みを浮かべた。
「和臣さんの目に、私、どう映ってますか?」
「とっても輝いてるよ。美麗ちゃんが可愛すぎて、名前の方が霞んじゃうくらい」