溺甘副社長にひとり占めされてます。
くすぐったくて、恥ずかしくて、心地良い。
「俺さ、自分のそばには、仕事に対して熱意を持ってる人を置いておきたいんだよね……遥子ちゃんの後任として、美麗ちゃんが俺の秘書になってくれないかな?」
「……ほ、本気ですか?」
「うん。やっぱり美麗ちゃんしかいないって、思ってる。今日、すごくそう感じた」
藤田さんたちだけでなく、白濱副社長本人からもそんなことを言われるとは思っていなかった。
軽くパニックになっている私に、彼がふふっと笑う。苦笑いをしつつも、私へ向ける眼差しは、とても優しかった。
「いろいろ躓きそうになったけど、美麗ちゃんが俺のすぐ傍にいてくれたから、いつもより気持ちを強く持てた気がする。すべて上手くいくって、今日はずっと思ってた」
彼の言葉が力強く私の中で響く。はやる鼓動を感じながら、私は彼と見つめ合った。
「楽しそうに仕事してる君を見て、魅力的な女性だなって思った。それで気になってさ、ちょっと調べた。だから俺は、君が頑張り屋さんなことも、負けん気が強いから少し無理しちゃうところも、仕事が速いだけじゃなくてミスがほとんどないってことも、知ってるよ」