溺甘副社長にひとり占めされてます。
熱くなった頬を、彼の手で優しく撫でられれば、さらに温度が上昇していく。
「知れば知るほど、どんどん美麗ちゃんのことが特別に思えてきて……気が付けば、君のこと好きになってた。秘書だけでなく、俺の恋人にもなって欲しい」
甘やかな言葉で、頭の奥がぼんやりとしているのに、近付いてくる彼の気配に、心はしっかりと反応してしまう。
「離したくないんだ」
少しだけかすれた声で、求めるように囁きかけられ、私はそっと瞳を閉じた。
私の唇に、熱い唇が触れた。
遠慮がちに重ねられた唇が、また角度を変えて、重なり合う。
吐息が混ざり合えば、体が熱くなっていく。
重なりあえばあうほど、頭の中が真っ白になっていく。
怖いくらい気持ちよくて、涙で視界が滲んでしまう。
「美麗ちゃん、かわいい……もっと、その顔、俺に見せて」
彼の唇が嬉しそうに弧を描くのを見て、きゅっと、胸が甘く疼いた。
口づけが深くなれば、吐息も甘さを増す。
私の中でじわりと広がっていく淫らな熱が、彼の唇で、その手で、露わにさせられていく。
私は彼の背中に手を回し、すがりつくように、力を込めた。