笑顔をくれた駅員さん
文化祭

メイド喫茶にチャレンジ




駅員さんとお出かけをしてから1週間が経った。




あれから駅員さんと会える日に、いつも通り他愛のない話をして過ごした。





駅員さんのあの反応は自分の中で触れないように気を使っている。







いつになったら話してくれるんだろう…









「_____な!橘!」






「!?…はっはい!」






「前に立って進行しろと言ったのに何をぼーっとしているんだ。」







「す、すみません」







今、来月に迫った文化祭のクラスの出し物を決めている。







案の定私が文化祭実行委員となった。







誰も立候補がいなかったから、担任は半ば強引に私に文化祭実行委員を押し付けてきた。







まあ断る理由も特にないし、担任のイライラしている姿を見るのも嫌だったので引き受けたのだけど。






でもら私は委員のことよりも今は駅員さんの事で頭がいっぱいなのだ。







ダメダメ。今は学校だから切り替えなきゃ。






「そ、それではクラスの出し物を決めたいと思います。なにか意見のある人はいませんか」







クラスメイトは周りの人と相談をしたり話をし出して急に教室が騒がしくなるだけで、誰も意見を出してくれない。






「あ、あの!意見がある場合は手を挙げて言ってください」






私が声を張って指示を出しても、その声は誰にも聞こえていないようだった。





これじゃあ全然まとまらない…





ど、どうしよう。





そんな時だった。





_______バン!!







誰かが机を思い切り叩いた。





ビックリしてその人を見ると、奏人くんだった。





奏人くんは立ち上がって私の隣まで歩いてきた。




そしてみんなの方を向くと「意見は手を挙げて言うもんじゃん?みんな言っていこうぜ」と言った。






また、奏人くんに助けてもらっちゃった…






奏人くんが呼びかけるやいなや、次々と手が挙がる。





「俺が意見聞くから橘は黒板に書いて?」






「う、うんっ」



< 106 / 110 >

この作品をシェア

pagetop