笑顔をくれた駅員さん
「えっと…なに?」
尋ねると、さっきまで笑顔だった顔とは一変して
鋭い目付きで睨んできた。
こういう裏表ある人、苦手だ…
「あんたさ、奏斗くんにこびってんの?」
『私の方が好きなのに抜け駆けしないでよ!!』
あの日の光景がフラッシュバックしてきて重なった。
怖い…怖いよ…
なんで私ばっかり…
「ち、違う…こびってなんか、ない…」
「そ。じゃあいいわ。でも奏斗くんはあたしのモノだから。
手ぇ出したら容赦しないからね。」
そう言い放って彼女は去っていった。
私がいつ奏斗くんにこびったのよ。
奏斗くんと話す人なんていくらでもいるのに。
結局は私がいじめの対象にしやすいからなんでしょ?
そう考えただけで無性にイライラしてきた。
せっかく奏斗くんに挨拶されていい日になると思ったのに。
今日の気分は最悪だ。