笑顔をくれた駅員さん
再来
奏斗くん
その日の放課後。
私達は、ファミレスに行くために並んで歩いた。
奏斗くんはさりげなく、私の歩くスピードに合わせてくれているし
さっきも、車が通る時「危ないよ」って言って
私を内側に入れてくれた。
男の人と歩くだけでキュンキュンするんだな。
奏斗くんがモテる理由が少しわかった気がする。
「橘はさー、ファミレス行ったらいつも何食うの?」
「えっ…」
私はファミレスに行くと決まって食べる物がある。
でも、引かれないかな…?
「と、特大抹茶パフェ…」
すると奏斗くんはブッと吹き出した。
「なんで笑うの!?」
「アハハハハハ!違うんだよ!特大って言うから…」
「どうせ食べるなら特大のほうがお得でしょ!?」
「お得って…!大阪のおばちゃんかよっ…ぐふっ」
「失礼な…」
「うそうそ。ごめんってば。…ぐふっ」
まだ笑っている奏斗くん。
言わなければ良かった…。