笑顔をくれた駅員さん
奏斗くんが片手で持ち上げていたのは、机だった。
もしかして…探してくれたの?
「ちょ、ちょっと、なんで奏斗くんが!?」
南原さんが取り乱したように叫んだ。
「お前かよ。あいつの机隠したの。」
今までに見たことのない鋭い目付きと低い声で南原さんを睨む。
「だって…奏斗くんはあの女ばっかりに優しくするから…!」
「だから、言ったじゃん。好きな子がいるから
俺お前とは付き合えないって」
「…っ」
奏斗くんがかばってくれている…
誰かがかばってくれることがこんなに嬉しいことだと思っていなかった。