笑顔をくれた駅員さん
「でもなんで莉子ちゃんそんなこと思ってたの?」
「だって…似てたから…」
キラキラした屈託のない笑顔も
目元の泣きボクロも
大きな手も
撫でられただけで安心してしまうこの感じも
ブラックコーヒーが好きなのも
私の好きだったお兄さんにそっくりだった。
「じゃあ、俺はそのお兄さんと前世で双子だったりしたのかな!」
冗談を言いながらまた私の頭を撫でる。
お兄さんに頭を撫でられた時と同じ温もり。
全部同じ…
この気持ちも…
きっと
同じ。
私は、駅員さんが好きなんだ。
お兄さんに似ているから。
そんな理由じゃない。
私はこの人の全てが…大好きだ。