笑顔をくれた駅員さん



「あのさ、莉子ちゃん」




「ん?なに?」




「3歳くらいの女の子って誕生日に何をもらったら喜ぶのかな?」





「3歳!?」





え、うそ。



隠し子!?




パニックで頭が真っ白になる。





「ぇでで!さ、さささ3歳の子供!?」




私がパニックになりながら言うと駅員さんが爆笑し始めた。




「アハハ!なに慌ててるの!親戚の子がもうすぐ誕生日なんだよ。


去年は、タコのぬいぐるみをあげたんだけど気に入ってくれなくてさぁ…」




「ぶっ」




「あ!おい!今吹いただろ!」





「さっ…3歳の子に…タコって…」





駅員さんがタコのぬいぐるみを持ってレジに並んでいる姿を想像したら、とてもシュールで面白い。





「おじちゃん、私ももっと可愛いのか欲しかったのに!って怒られて……俺、もう女の子の趣味わかんないよ…」





がくっと肩を落としてヘコむ駅員さん。




可愛い。



どうしようめっちゃ可愛い……!



写真撮りたい…!



私は、駅員さんの頭を撫でたい衝動に駆られていた。




さすがにそれは、我慢。



ドン引きされるのが目に見えてるから。




自分がどんどんネガティブ思考になっている気がする……



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