笑顔をくれた駅員さん



次の日。



私は学校へ登校するとまず優衣に昨日の出来事を報告した。



「えええええっ!!週末デート!?」




「ゆっ、優衣!声大きすぎ!!」





優衣は本当に驚いた様子で目を丸くしている。




「そ、それに、デートじゃなくて買い物に付き合うだけだよ」




「男女が休日に出かけるんだよ!?デートじゃん!!」




なぜか足をバタバタさせて興奮する優衣。



「莉子、あんたやるね~もう、あれよ?頑張ってよ?」




「うん…っ!!頑張る!……けど、あの…」




「…なに?」





「その、優衣にメイクとか髪の毛巻いてほしいなぁって…」




バン!!!



優衣が思い切り机を叩いた。





「任せて!!莉子元々可愛いからメイクしたらもっと可愛くなるよ!」




「ありがとう…」





好きな人と初めてのお出かけ。



ちょっとでも可愛い格好をして駅員さんをドキドキさせたい。



「莉子も乙女だね~」




「…うるさい」





週末の事を考えただけで鼓動が早くなる。



ヘマして嫌われないか不安で仕方が無いけど……




早く週末になってほしいと思ったりする。



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