笑顔をくれた駅員さん



「酔わない?大丈夫?」




「うん!大丈夫!」




時々こうして聞いてくれる駅員さん。




本当に優しい人だなあ…




仕事している時みたいな真剣な顔で運転している横顔がとてもかっこよかった。





思わずニヤけそうになって慌てて下を向く。





「莉子ちゃん?やっぱり酔う!?」





私が下を向いたのが酔ったからだと勘違いしたのかいきなり大きな声を出した。




その声にビックリして駅員さんの方を向くと駅員さんも私を覗き込んでいて、鼻と鼻が当たりそうなくらい顔が近かった。





「……っ」





しばらくお互いがお互いの目を捉えて動けずにいた。



きっと、私の顔は今真っ赤だ。




気のせいか、駅員さんの耳が赤くなっている気がする。



なんでだろう……?



とにかく今が赤信号で良かったと思う。




「…っあ、ビ、ビックリしたー!」




私は駅員さんにドキドキしたことを悟られないように、わざと大きな声を出した。





「り、莉子ちゃん本当に酔っちゃったかと思ったよ」




「酔わないよー」




笑って平然としているフリをする。




本当は心臓がバグバク鳴っていて駅員さんに聞こえてないか心配になっている。




最初からこんなにも駅員さんにドキドキして今日最後まで私もつかなあ…



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