笑顔をくれた駅員さん
私がニヤニヤしている間にあっという間にショッピングモールに着いてしまった。
「よっしゃ!行くか!」
駅員さんが車のエンジンを切る。
その姿にもドキドキさせられる。
日曜日のショッピングモールということで、たくさんの人で賑わっていた。
見渡す限り、人、人、人!
歩くのもやっとなくらいだった。
「莉子ちゃん、あのさ…」
「なに?」
「こんなに人がいるとはぐれちゃいそうだし、連絡手段ないからさ…その…手…繋いでてもいい?」
「えっ…あっ」
私が返事をする前に駅員さんが手を握ってくれた。
突然のことでビックリしたけど、自分の右手を見ると駅員さんの左手が繋がれている。
このことをだんだん実感してきて一気に鼓動が早くなる。
手汗吹いておくんだった私のバカ…