笑顔をくれた駅員さん



「あ、あのさ…」



その沈黙を破ったのは駅員さんだった。




「今日のお礼…っていうか、ぱっと見て莉子ちゃんっぽいなって思ったから衝動買いしちゃって…もらってくれる?」




手渡されたのは薄いピンク色の綺麗な袋に包装されたものだった。




「いいの?」



「もちろん!開けてみて!」





そっと包装をといて開けると、小さな花のストラップが姿を現した。




「わぁ…可愛い!」




「ほんと?よかった~」





「ありがとう!一生大事にするよ!」





「あはは!大げさだよ」




可愛いって言うのもあるけれど、それ以上に私を思いついて私のために買ってくれたことが本当に嬉しくて心がじーんとする。




嬉しい…




「さっそく携帯に付けるね」




私は携帯を取り出してストラップを付けようとした。



でも思うようにいかなくて苦戦する。




その様子を見ていた駅員さんは「貸してみ」って言ってくれたから私は素直に携帯とストラップを差し出した。




チラッと駅員さんの方を見ると長いまつ毛のすき間から見える真剣な目とか私と全然違う骨ばった指にいちいちキュンとしてしまう。



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