笑顔をくれた駅員さん
運ばれてきたパフェをあっという間に平らげてしまった私。
駅員さんに爆笑されてしまった。
「あはは!すごい目がキラキラしてたよ」
「そ、そんなことないよ!あっ、ご馳走様でした…」
「いえいえ。美味しかったか?」
「うん!上に乗っているアイスのね…」
チラッと駅員さんを見ると微笑んで私の目を見て話を聞いてくれていた。
ドキ。
「莉子ちゃん?アイスがどうしたの?」
「…あっ…うん、アイスがね」
________ピリリリリリリリリリリ
タイミング悪く私の携帯が鳴ってしまった。
「あ、ごめん…電話が…」
「どうぞどうぞ。」
表示されたディスプレイを見るとお母さんだった。
『莉子?今どこにいるの?今から家族で晩御飯食べに行くんだけど、どうする?自分で食べて帰ってくるならそれでもいいけど』
「あ…えっと、自分で食べるよ!いってらっしゃい」
『そう。あまり遅くならないようにね』
「はーい」
いつもだったらすぐに家に帰るけれど、今日はもうちょっとだけ駅員さんと一緒にいたかった。
「お母さん?」
「うん。夜ご飯自分で食べるって言っただけだよ。ごめんね」
「いや…」
駅員さんの反応がいつもと違った。
いつもなら「そっかー」って笑顔で返してくれるのに様子がおかしい。
「駅員さん…?どうかしたの?」
「あっいや、何も無いよ」
胸がちくっと痛んだ。
私は悩みとか全部打ち明けているのに、駅員さんはなんにも打ち明けてくれないんだな…
「それより莉子ちゃん。夜1人なんだったら一緒に食べて帰る?俺美味しいラーメン屋さん知ってるんだけど」
「うん!行く!」
自分でも下手くそだと思うくらいの作り笑いをしてしまった。
駅員さんは気づいただろうか。