御曹司と恋のかけひき

12話

パーティの2日前、昼休みに藤沢さんの秘書がやってきた。

パーティ用のドレスとバッグ、そして分厚いリスト。

「これは?」

分厚いリストを手に取りながら見る。

中は顔写真とプロフィールらしき物が書かれていた。

「パーティに参加される方のリストです」

どう見ても100人ぐらいあるような・・・

「後、靴なのですが、用意できなかったので、早瀬さんの方で用意して下さい」

そう言って、一枚のメモを渡される。

「当日、ヘアメイクをしてくれる人の連絡先です、
靴を選ぶのを手伝ってもらえる約束になっています」

「分かりました」

名前と日時が書かれているのを確認し、メモを手帳に挟む。

あっさりと対応したが、それが逆に不思議だったようで、
顔をまじまじと見られる。

「何か?」

「いいえ、リストはパーティ前に私にお返しください」

「分かりました」

と答え、秘書が去っているのを見送る。

「ねえ、このドレス、うちの会社で扱っているのよね?
確か20万か30万ぐらいはするんじゃ」

先輩が声をかけてくる。

そうなんですね、と返し、頭の中でドレスの事も調べておこうと考える。

さっきの秘書の人と同じように、先輩も不思議そうな顔で、
私の顔をまじまじ見ている。

「どうかしたのですか?」

「何にも」

先輩は肩をすくめ、視線をパソコンに戻した。

私、何かおかしいかしら?

少し気になったものの、昼食のサンドイッチを食べる事にした。
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