好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「……黎?」


「うん」


「?」
 

どうしたんだろう。


抱きしめられているから、互い違いになって黎の顔は見えない。


けれど、黎の声がどこか浮かないのはわかった。


「……なにか、悩んでることあった?」


「……そんなんじゃない」


「そうなの?」
 

でも、何もなくて黎がこんな態度をとることはなかった。
 

真紅は、自分の腕を黎の背中に廻した。

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