好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「ええっ? どういうこと?」
 

黎の小さな言葉を聞き止めてしまった真紅は驚いて声をあげると、――同時に。


「真紅―っ! 帰りましたよ。――――⁉」
 

……紅亜と紅緒も帰って来た。


紅亜がしまったというように表情を変えた瞬間、紅緒は鬼神になった。角がはえてみえた。
 

――――――。


「ごめん……」
 

紅緒のお説教を一通り聞いた頃には、もう夕焼けも去っていた。
 

真紅が申し訳なく謝ると、黎はどこかからっとした様子で笑った。

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