好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「………」
ぽけーっとしてしまった真紅の唇に、今度は黎の方から触れて来た。
「っ!」
「……この前は、いきなりしてごめん。なんかなー、もっと近づきたくて」
「………」
若干魂が抜かれた真紅は、ただコクコクと肯いた。
「真紅の彼氏、名乗っていい?」
問われて、徐々に魂が回収されていく。
「えっ、あの、れ、黎以外に名乗ってもらう人なんていないんだけど……」
「うん」
今度は頬を捉えられ、口づけられた。