好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「……兄貴はわかってるって言いたい?」
「誠さんが仕えているのはあくまで影小路一族だ。それを、次代のお前が『真紅に仕える』って言ったら――とどのつまり、真紅を影小路の当主に推すと言ったようなもんだろ」
架を見遣ると、不敵な笑みを見せた。
「さすが。そういうことだよ」
「そんなことしてどうする。黒藤の出自があれとはいえ、正統後継者としてあるんだぞ?」
架が歩き出したので、黎は渋い顔で並んだ。