好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「別に、若君どうのって考えがもとではないよ。いや――若君が望む道の為には、真紅ちゃんが後継になった方がいいとは思うけど」
「あいつが望む? ……って、まさか月御門を嫁にするとか言ってるあれか? そりゃ、同性愛だのマイノリティに理解があるのはいいと思うけど……」
黎は医学部生で病院の心療内科でバイトという職業柄、そういった例には面してきたこともある。
世間の目はまだまだ冷たいとも実感している。
「そういう話じゃないんだけど……」
白桜さんがこれ以上バラすわけないか。
平坦な表情で、架は意味ありげにそんなことを言った。