好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「……総てを考案した上で、真紅ちゃんが当主になられるのがいい、とは思っている」
「答えになってねーぞ」
「答える気はないからね」
「……おい」
「凄んでも何も言わないよ。兄貴は自分から知ることを放棄したんだから、知りたいんなら自分で知ってよ」
「……そりゃそうだな。じゃあ手始めに誠さんあたり脅してくる」
「どういう親不孝者だよっ。父さんが可哀想過ぎるだろっ」
「なら弥生さんか?」
「なんで母さんまで巻き込む!」
「美愛さんはなんも知らないだろうから」
「ハウス! 兄貴ハウス! 俺が話すから思いとどまってくれ!」
普段罵倒されてばかりの弟に懇願されたので、破片くらいは弟可愛いもある黎は思いとどまってやることにした。