好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


小路流は室町時代に一度、本家の後継者の相次ぐ急逝により滅亡しかけている。


そのとき、当時は本家よりは格下であった小路十二家から当主を迎え、なんとか繋いだのだ。


影小路本家だけでなく、十二家から当主を選ぶしきたりはその頃かららしい。
 

家に興味のない黎だったが、育った家である小埜家は十二家の一つなので、その辺りは知っていた。
 

黒藤が、その特異な生まれでありながら次代となることを決められているのは、強すぎる力を小路流が手放せないでいるから、ということか。


「黒藤の力が総て解放されてないってのは、どういう意味だ?」

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