好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
同様に、紅亜がいなければ真紅はいない。
その紅亜は今、影小路の人間として認められている。
持って生まれた凶星(きょうせい)――陰陽師にとっては最も警戒すべきものの一つらしい――が姿を消したことから、影小路姓を名乗ることを許されたと聞く。
姉にべったりな紅緒もいるから、紅亜が影小路と縁を切ることは出来ないだろう。
そのため、真紅を完全に影小路から離すことなんて不可能だ。
黎は架から聞いている。
真紅は、将来旦那となる人には、紅亜とも一緒に暮らしてほしいと望んでいる、と。
幸い、紅亜と黎の仲はよい。
紅亜には真紅との交際も認められているし、真紅の願いは叶えたいと思う。