好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


(自分でどうにかするしかないよな)
 

今の自分の位置を、真紅の伴侶と認められるまでに。


「兄貴。もう『桜城』じゃないからって、うちに来ないわけじゃないよな?」


「ん? 俺が帰る用もないだろ」


「用もないのに帰るのが実家だろ。美愛さんも父さんも、母さんも待ってるからたまには帰って来い」


「………」


「じゃないと、俺が学校帰りとかに真紅ちゃんだけ連れてくる」


「俺が連れて行くからやめろ」
 

兄、敗北。

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