好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
なんとなく黎も立ち止るが、架は硬直してしまったように瞬きもしない。……おい?
「架?」
「…………………そうだった…………若君や白桜さんもいるんだ……真紅ちゃんは白桜さんと同じクラスって……言ってたよね…………?」
「らしいな。黒藤は学年、一つ上だろ?」
「………行きたくなくなってきた……」
架が項垂れた。うーん、可哀想だ。
「あの二匹にはあんま近づきたくねえよな」
「主家の若君を虫扱いしないでよ」
真面目だった。項垂れつつも訂正を求めて来た弟の肩を叩いてやる。
「お前が言っちまったんだ。腹括れ」
「トドメ刺さないでよ放蕩者」
……『兄貴』から格が下がった気がするのはなんでだ。