好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
8 斎陵学園
「………大丈夫?」
心配になった真紅が問うと、架ははっと目が覚めたように頭(かぶり)を振った。
「だ、大丈夫っ。だい――………」
「全然大丈夫じゃないよねっ! ちょっと保健室行くよ!」
言いかけて落ちた架を、真紅は強制連行した。
保健室のベッドに放り込んで、真紅は留守にしている教諭への言伝を書くことにした。
架を少し寝かせてもらわないと。
教諭は百合緋の親戚だそうで、転校して初日に身バレしている。
「……ごめん」
ベッドスペースとを区切るカーテンはまだ開けられている。
架は完全に真紅に肯いたわけではないと言うように、腰かけた格好のままだ。