好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
学校の転校を機に、真紅は桜木真紅から、『影小路真紅』と名乗るようになった。
手続きは現在進行形だが、母とともに、母の生家へ籍を移すことになったのだ。
誰より何より、叔母は望んでいたこと。
母・紅亜が、当主夫妻に生まれた双児の姉という立場の直系長姫(ちょっけいちょうき)でありながら養子に出された理由は、占(せん)に出た凶兆(きょうちょう)だったらしい。
よく双児は忌まれるというが、紅亜はそういう概念のものではなく、双児と関係なしに、凶星(きょうせい)――まがつ星の運命を持っているとか。
真紅の力の覚醒を得て、真紅が影小路に入ることになったとき、紅亜も小路の陰陽師たちと顔を合わせた。
だが、紅緒や対面したほかの小路の陰陽師は、誰も凶星を紅亜に見いだせなかったそうだ。
最後に黒藤が、真紅を――始祖の転生を産んだことで、星の運命が変わってしまったのだろうと言っていた。