好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「少し寝てね。先生には伝えておくから」


「だから大丈夫――


「疲れてるときは、休む! 疲れてなくても休みなさい!」
 

振り向きざまに叱咤されて、架は驚いたようだ。


「……なんか、真紅ちゃん変わったね」


「私の周りは限界突破で倒れる人がママだけじゃないって気づいたからね」


「もしかして、兄貴も?」
 

架の問いかけに、真紅は牙をむいた。


「一番は黎だよ。あのワーカーホリック。仕事や学校をどうでもいいとか言いながら全力投球なんだから。

三回くらい倒れるところに直面してるよ? それなのに毎朝うちまで来て……可愛すぎないっ⁉」


「罵りたいんだか惚気たいんだからわからないよ」

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