好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「あーのーねー、黎が架くんのことどんだけ大事にしてると思ってるの。
黎にとってはご両親が違うとか、取るに足らないことなんだよ。架くんが弟っていう、それだけで十分なの。
その辺りわかって、信用してあげて」
「―――」
架は、無言でベッドの上で膝を抱えた。
「私から言ってわからなかったら、前から黎のこと知ってる黒ちゃんから話してもらおうか?」
「すぐに寝ます。お願いだから学内で若君と接触させないで」
シャッと勢いよくカーテンを引かれて拒絶された。
『若君』と関われば架は消耗しかしないのもわかっているので、真紅も本当に呼んでくる気はない。そこまで鬼ではない。
――鬼では、ない。