好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「真紅ちゃーん。ここー?」
 

入って来たのは百合緋だった。次いで白桜も来る。


「百合緋ちゃん。どうしたの?」
 

架を休ませてほしい旨の言伝を書いた真紅が、二人に向き直る。


「どうしたもなんも、真紅ちゃんが架王子を拉致ったって騒ぎになってるから来たのよ。

二人が前から友達とは知られてけど、なんかあったの? 架王子と付き合ってるの?」
 

百合緋は何故か、架のことを『架王子』と呼んでいる。


架はいつも居心地悪そうだ。


「架くんが倒れかけたから強制連行しただけだよ。今寝かせてる。

百合緋ちゃんには言ってなかったっけ? 私がすきなのは架くんのお兄さんだよ」

< 144 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop