好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「真紅ちゃーん。ここー?」
入って来たのは百合緋だった。次いで白桜も来る。
「百合緋ちゃん。どうしたの?」
架を休ませてほしい旨の言伝を書いた真紅が、二人に向き直る。
「どうしたもなんも、真紅ちゃんが架王子を拉致ったって騒ぎになってるから来たのよ。
二人が前から友達とは知られてけど、なんかあったの? 架王子と付き合ってるの?」
百合緋は何故か、架のことを『架王子』と呼んでいる。
架はいつも居心地悪そうだ。
「架くんが倒れかけたから強制連行しただけだよ。今寝かせてる。
百合緋ちゃんには言ってなかったっけ? 私がすきなのは架くんのお兄さんだよ」