好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


生まれついての護り刀のようなものだ。


知らず知らずのうちに人はそれに護られている。


 陰陽師はそれを具現化させることが出来、白桜は性(さが)である『焔』を自在に操ることが出来て、黒藤は『光』を意のままに操ることが出来る。


真紅は『風』だということはわかっているが、まだ自分の意思で操り切れていない。
 

真紅が生まれ持った力は総て解き放たれた。


あとは、それをコントロール出来るか、だ。
 

そして、海雨や黎のことが終わっても陰陽師であることを望むのなら、生まれ持ったものだけでなく、自分で得て行く力が必要になる。


「おかしい……と思うんだけど、どこがおかしいのかわからない……」
 

無炎からの報告を受けて、真紅がずーんと沈んだ。


感覚的にしかわからないところは、まだ成長していなかった。

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